香川県の社会福祉向上を目指す『香川県応援ファンド』。2021年には車椅子対応の車両を1台、生活介護と就労継続支援 B 型の障がい福祉サービスを行う施設 ビーム様(社会福祉法人ラーフによる運営)へ寄附しました。
普通乗用車と車椅子対応の車両の大きな違いは、車椅子のまま乗り降りができること。普通乗用車では、乗り込むまでのステップとして「車椅子から降りる」「座席への介助」「車椅子をトランクに片付ける」というアクションが発生しますが、車椅子対応の車両の場合、それらが必要ありません。移動の時間短縮と同時に、利用者やスタッフの負担が大きく軽減されます。
ビームで生活介護を受けている方の中で、約半数が車椅子の利用者。ビーム施設長の田邉様は、「施設で保有する車椅子対応の車両が増えたことで、送迎はもちろん、外出のハードルが下がり、行動範囲が広がった」と言います。
たとえば利用者の方が「外にランチに行きたい」という気分の時には、ご家族だけではなかなか連れて行けないこともあり、ビームで希望を取って一緒に出かけているそう。利用者の方との買い物やイベントへの参加といった日常の余暇活動にも、車両をご活用いただいています。
スロープ付きだから、車両への乗り降りがスムーズ。後部座席部分に車椅子ごと乗り込むことができます。
香川県健康福祉部障害福祉課の高嶋様によると、車両は福祉施設の運営に欠かせないものである一方、多くの施設で車両の老朽化や、購入する予算の余裕がないという課題を抱えています。
『香川県応援ファンド』では香川県庁との協議により、施設からの希望や過去の寄附状況、運営状況といったデータを基に毎年寄附先や寄附品目を決定し、主に福祉施設へ車両をお届けしています。
また香川県では、障がい者一人ひとりの各ライフステージにおける就労ニーズに対応するため、就労支援に係る機関や事業所との取組みを推進しています。
「農福連携」もその一つ。障がいを持つ方々が、社会参加の場として労働力不足に悩む農家を支援する機会が増えています。
「施設の利用者さんが楽しいとおっしゃるのは、やはりお仕事を通じて、自分の役割を果たすこと」とビームの田邉様は言います。「そこには『社会とつながりたい』という気持ちがあって、求められる役割を一つひとつ果たすことに喜びを感じているんだと思います」
家庭と施設をつなぐだけではなく、新しい仕事の場を広げ、社会へ可能性を開いていく。そんな希望を乗せて、車両は今日も香川県のあちこちを走っています。
<2022年5月取材>
香川県応援ファンド
国内(香川県関連企業)の株式や国内外の債券、J-REITを投資対象としています。
運用会社が受け取る信託報酬の一部を、香川県の社会福祉向上のために寄附しています。
香川県応援ファンドは2022年5月に設定16周年を迎えました。
これまでに以下の寄附実績があります。
・社会福祉施設等へ計28台の車両
・かがわ子育て支援県民会議へ約430万円の活動資金
<2022年6月末現在>